弱者が強者に勝つためのランチェスター戦略ーキャリアアップのためのヒントー

東京都内を中心にパーソナルトレーナーとして活動をしているりくまるぼーいです。

従業員数が数万人を超える大企業から従業員10名以下のスタートアップの企業まで、日本では現在410万社を超える企業があります。単純計算すると日本では、社長が(複数の会社兼務はあるが…)410万人いることになり、日本の人口あたりで計算すると約30人に1人に相当し、学校生活に置き換えると1クラスに1人は社長をやっているという時代になっています。

こう考えると半端じゃなく、社長って多いですよね。笑

ここで伝えたいのは、社長の数というわけではなく、これだけ無数の企業がある中でどのように他社に勝ち抜いていくかを戦略的に考えていかなければ生き残れないということです。

今回は、戦略的に他社に勝つためのヒントとなる「ランチェスター戦略」について簡単に説明していきます。

ランチェスター戦略ってなに??

元々は第一次世界大戦の頃、イギリス人のF・W・ランチェスターという方が、自分が開発した戦闘機が戦闘でいかなる成果をあげるのかに興味を持って研究して戦争を定量的、統計的、数学的に取り扱った『ランチェスター法則』を原点としたものになります。

この戦争で使われていた軍事戦略の理論「ランチェスター法則」を企業間の販売競争に勝ち残るための理論と実戦の体系として構築したものが「ランチェスター戦略」で、マーケティングコンサルタントの田岡信夫先生によって提唱されたと言われています。今では多くのコンサルタントやマーケッターが影響を受けているため「販売戦略のバイブル」とも言われいるものになります。

ランチェスター戦略の特徴は?

この戦略の特徴を端的に言うと…
「弱者が強者に勝つため」「強者が弱者を飲み込むため」にどう言う風に考えるべきなのかのヒントを示したビジネス戦略になります。

ランチェスター戦略の中では弱者と強者という定義があり、ここでいう弱者とは、市場2位以下すべての企業のことを指すので殆どの企業は弱者ということになります。

普段パーソナルトレーナーとして活動しているので、フィットネス業界で例えると市場1位のコナミスポーツクラブは強者で2位以下のセントラルやルネサンス、ティップネスは売上が何千億円とあろうと弱者という立ち位置になります。

では、弱者はどのように戦い、強者はどのように戦えばいいのでしょうか?

弱者の戦い方と強者の戦い方とは?

弱者は「差別化戦略」が基本戦略

①局地戦
ビジネス領域や地域など何かに特化させてそこに経営資源を全て注ぎ込む戦略です。フィットネスクラブで例えると、プールやスタジオなどの総合スポーツ施設のコナミに対して、トレーニング器具のみに特化して世界中にどんどん進出を果たしている「エニタイムフィットネス」がわかりやすい例かなと思います。

②接近戦
顧客に近づくという考え方のことで、卸売りではなく直接販売にしたり、現代では顧客と距離の遠いテレビなどのマスコミではなく、SNSで顧客と関係性を築くことも接近戦の代表的な戦略になります。インフルエンサーからのアパレル販売などはいい例ですね。

③一騎討ち戦
競合が1社または限りなく少ない市場に狙いを定めたり、顧客を獲得する手法になります。競合1社が存在する分野や地域に参入して、競合に対して抱えている顧客の不満を解消するようなサービスを展開すれば顧客を獲得することが出来ます。例えば、エニタイムフィットネスが流行してきた頃に出てきた日本発の24時間トレーニング器具特化型の「ジョイフィット」がエニタイムのある地域に進出したことが例として挙げられますね。また、貴重品ロッカーが有料なエニタイムに対して、鍵付きの荷物を預けられるロッカーを無料で利用できるようにするなどの差別化をはかって顧客を獲得しました。

④一点集中主義
⇒総合力で劣る弱者は全面戦争で強者に勝つことは出来ないので、市場や地域を細分化し、業種・顧客・商品等どこに重点を置くのかを決定し、経営資源を1点に集中投下することによって強者に勝つ手法です。例えば、日本中でパン屋さんが多くある中で食パンに特化した「乃が美」などがいい例ですね。今や全国で183店舗と他のどんなパン屋さんよりも有名になりました。


⑤陽動戦
思いもよらない方法で競合の裏をかく手法のことで、いわば奇襲とも言えます。例えば、バーガーキング渋谷センター街店が10月のハロウィンの時期に合わせてお店を丸ごとコスプレさせてPRに成功した例は陽動戦の代表的なものではないでしょうか。参考までにYoutubeを載せておきます。

強者は「ミート戦略」が基本戦略

①広域戦
⇒ビジネス領域や地域など何かに特化させてそこに経営資源を全て注ぎ込む弱者の戦略である「局地戦」に対して、弱者が何かに特化できないように盤石な経営資源を活かして幅広くビジネスを展開させる手法です。


②遠隔戦
⇒顧客との距離を近づける弱者の接近戦に対して、顧客との距離を置いて戦う手法になります。広告宣伝を思いっきりフル活用して、商品の認知度を挙げて顧客に指名買いをしてもらうようにする「プル型のマーケティング」です。実際に商品に対する顧客の認知度が上がれば卸先のスーパーやドラックストアなどでも顧客の目に入ってきやすい棚に商品を置かせてもらいやすくなります。


③確率戦
⇒競合が1社または限りなく少ない市場に狙いを定めたり、顧客を獲得する弱者の一騎討ちに対して、一対一の戦いを避け、弱者を持ち前の経営資源で押さえ込む手法になります。競合他社の多い市場をあえて狙ったり、併買率の高い顧客を狙うなどします。例えば、自社内でも競争させて同じカテゴリーでの商品数を増やすなどして弱者が割り込む隙間を与えないようにします。


④総合主義
⇒総合力で劣る弱者がとる「1点集中主義」に対して、圧倒的な経営資源を活かして部分的な弱点を圧倒的な量や品揃えなどでカバーする手法です。ドン・キホーテは総合主義のいい例だと思います。とりあえずあそこにいけば何でも手に入ると思わせられる力が実際にありますしね。

⑤誘導戦
⇒弱者の奇襲戦略である陽動戦に対して、その奇襲に惑わされないように上手く相手の体力を奪っていくように誘導していく手法です。例えば、弱者の方が経営資源は弱いので、弱者が開発した商品の類似商品を後発で作って値下げ合戦に持ち込んで企業体力を奪っていくことをイメージしてもえれば分かりやすいかなと思います。

最後に

いかがでしたでしょうか?

「ランチェスター戦略」これは、企業としても個人としても今後生き残っていくために非常に重要な基本戦略でもあるので、初めて聞いたという方もぜひ頭に入れておいてください。

僕はパーソナルトレーナーなので、パーソナルトレーニング業界の強者のRIZAPに対して弱者である僕がどのように差別化を測ってこのパーソナルトレーニングジムが乱立している戦国時代を弱者として強者に勝ち抜こうかと記事を執筆しながら考えていました。

VUCA(ブーカ)の時代と言われているように、現代はカオス化した経済環境にあり、予測不能なことが多いです。ですが、そんな時にこそ基本に立ち返っていかにして強者の弱点をついて飲まれないように勝ち残ることができるかを考える事も大切かなと思います。

皆さんもぜひ基本に立ち返って「ランチェスター戦略」を参考に戦略を打ち立ててみてくださいね。

Spice Up Your Life
今日もあなたにとって人生を好転させるきっかけになりますように。

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