ファスティング(断食)とは?

ファスティングとは?

ファスティング(Fasting)とは、英語の「Fast:断食する、絶食する」の動名詞で「断食」という意味で、1日の中で最も食事を摂らない夕食から朝食までの時間である「fast」(断食)を「break」(破る)というキリスト教の言葉に由来しています。

ファスティングには、文字通り食物を摂取せずに水のみで行う「絶食」や生命活動に必須なミネラルやビタミンなどの微量栄養素を摂取する「ミネラルファスティング」があります。「絶食」は医師の管理下の下で行わないと非常に危険で、「ケトアシドーシス」に陥る危険性があります。これは、飢餓状態により細胞が糖分を得られず脂肪を分解してエネルギーを得ようとした結果、体内で作られた「ケトン体」が増加してし、「ケトーシス」と言われる状態がかなり進行してしまい、体内が酸性(ph7未満)になった重症の状態を差します。最悪の場合、死に到る可能性もあるので自己判断での水のみで行う「断食」はおすすめできるものではありません。

そこで、ファスティングの方法として提唱されているのが「ミネラルファスティング」です。1日に必要な最低限のカロリー(約500kcal)やビタミン、ミネラル、アミノ酸などを含んだ酵素ドリンクを摂りながら行うことで安全かつ効果を最大限に出しながら無理なく行うことが可能です。

ファスティングの効果

ファスティングには主に下記の5つの効果があります。

①デトックス

②ダイエット

③代謝酵素の活性化/ 内臓の休息

④脳機能の活性化

⑤食習慣の改善

大気汚染や海洋汚染も深刻化し、加工食品や養殖食品、食品添加物などがたくさん流通している現代では定期的な解毒や排毒を行うことが体内環境を健全に保つためにはも必要不可欠になってきています。また、筋肉は休息させるけれども絶えず食べ続けることで内臓には負担がどうしてもかかってしまい、内臓機能が低下しやすくなってしまっています。そこで、ファスティングを行うことによって消化吸収、解毒や排毒の機能が向上し、心身の健康を保つことに役立ち、ダイエット効果もあります。

①デトックス

体内で不要になった「老廃物」、環境ホルモンを始めとした「有害化学物質」、銀、鉛、カドミウム、ヒ素といった「有害ミネラル」などの毒素、食品添加物、滞留便など身体に蓄積したものを食事を断つことによって体外に排出することで慢性的な不調の軽減や消化器官をはじめとする内臓機能の向上、健やかな肌を作るなどの様々な効果が期待できます。特に排毒の中でも排便によるデトックス効果は高く、腸内に滞留した便の成分はほとんど脂質とたんぱく質で、それらが腐敗してしまうと腸内環境が悪玉菌優位になってしまうため、腸内環境が悪化します。デトックスをすることで腸内の滞留便を出し切ることが期待でき、人によっては約3〜5kgほどの滞留便を排出することが可能です。ただ、ファスティングを始めてすぐに滞留便が排出されるという訳ではなく、ファスティングを行ってから4~5日が平均なのでファスティング期間はなるべく4日間以上実施することをおすすめします。

②ダイエット

ファスティング中は脳が1日に最低限必要な約500kcalを酵素ドリンクを用いて摂るだけなので摂取カロリーが大幅に低下します。そのため、消費カロリーよりも摂取カロリーが下回るので、一定量蓄えられている筋グリコーゲン(筋肉蓄えられる糖の一種)、肝グリコーゲン(肝臓に蓄えられる糖の一種)をメインのエネルギー源として使用するようになります。

しかし、グリコーゲンの量には限りがあるため、それらを使い切ると体内に貯蔵されている脂肪を燃焼させてエネルギーを産生するようになり、主なエネルギー源が糖質から脂肪へと切り替わります。

脂肪組織に多く存在する脂肪細胞は、まず、遊離脂肪酸として血中に溶け出します。遊離脂肪酸は血流に乗って運搬され、筋細胞内のミトコンドリアへ運ばれて燃焼します。脂肪がメインエネルギーになると、これらのステップを繰り返し続けるため、脂肪を燃焼させるための回路が確立され、脂肪を燃焼させやすい身体になっていきます。体内に貯蔵されたグリコーゲンを使い切るには2~3日程かかるので、確実に脂肪を燃焼させるためにはファスティングを3日以上継続させる必要があります。脂肪を燃焼させることは、単にダイエットとしての効果だけではなく、脂肪細胞内に溜まっていた毒素の排出や、体内の脂肪酸のアンバランスのリセットなどが期待できます。

③代謝酵素の活性化/ 内臓の休息

体内には約5,000種類もの潜在酵素(potential enzyme)があり、消化吸収や代謝など、体内の化学反応を起こす際の触媒として働いています。5000種類もの数がある理由は、「基質特異性」といって、たとえば唾液の中に含まれる消化酵素のα-アミラーゼは炭水化物だけしか消化せず、たんぱく質や脂肪の消化には役立たず、肝臓の中にあるアルコールデヒドロゲナーゼはアルコールにだけ働きます。つまり、酵素は「代役」を許さない、一つの働きしかできないスペシャリストです。

潜在酵素は、細胞の再生や修復、神経やホルモンのバランスを調整し、恒常性を維持することによって、免疫機能を保持するなどあらゆる生命活動に関わっている代謝酵素と、体内に入った食物の消化と吸収に働く消化酵素とに大別されます。

1日に作られる体内酵素は一定であり、その内訳は「消化酵素」と「代謝酵素」に振り分けられます。消化酵素の使用量が増えると代謝酵素は減り、消化酵素の使用量が減ると代謝酵素が増えるといった密接な関係です。潜在酵素の優先順位としては消化酵素が最優先にされるため、どのような食事をするかによって、潜在酵素のバランスは変わってきます。

ファスティング時には、食物を摂らないことにより消化酵素の分泌が抑えられて代謝酵素の働きが活発になります。そのため、代謝酵素が優位になるため慢性的な倦怠感や不調の改善が期待できます。疲労で機能が低下していた内臓(特に消化器官)も、ファスティングをすることで食べるという行為によるストレスから解放され、機能が回復します。そして、免疫機能が活発になり、自然治癒力の向上が見込めます。

④脳機能の活性化

脂肪の燃焼が進むと、脂肪酸とアミノ酸の不完全代謝産物としてケトン体が肝臓で生成されます。ケトン体が脳で代謝されると脳内はα波状態(集中、リラックス)になるため、思考が聡明化し、記憶力や集中力が向上します。また、ファスティングによる空腹状態が続くと、覚醒の神経伝達物質であるオレキシンというホルモンが分泌され、五感覚が研ぎ澄まされます。

※ケトン体ーケトン体とは、アセト酢酸、3-ヒドロキシ酪酸(β-ヒドロキシ酪酸)、アセトンの総称です。グルコースが枯渇しているような絶食時、激しい運動時、高脂肪食においてもケトン体が生成されます。骨格筋、心臓、腎臓などでもエネルギー源となりますが、肝臓ではエネルギー源として利用できません。

酸性エネルギーと栄養摂取を断たれた身体は、肝臓などの解毒器官にデトックスのために毒素を大量に送り込みます。ここで上手く解毒処理がされれば良いのですが、毒素の解毒処理が追い付かずに毒素が血流に乗ってしまい、体内に溢れ出てしまいます。「ケトアシドーシス」とは、本来弱アルカリ性(ph7.35~7.45)の血液が酸性(ph7.0未満)

⑤食習慣の改善

ファスティングを行うことで、食や自身の健康への関心は深まります。また、食欲の克服や目標を達成することで、その後の食生活はより良質なものに変化していきます。特にファスティングを繰り返し、食生活を改善していくことで味覚は大きく変化し、体にとって良いものを美味しいと感じるようになります。

濃口が好きだった味覚が薄口で十分に感じたり、量をたくさん食べなくても満たされたり、食生活が健康方向へと変わっていきます。ファスティングと共に深まった食への関心や知識は、体をこれまでの悪習慣から開放し、本来もつ機能や感覚を取戻させてくれます。

いかがでしたでしょうか?
ファスティングによる効果の多さに驚いた方も多いのではないでしょうか?デットクスやダイエット目的の方が多いと思いますが、免疫機能の向上や脳機能の活性化まで期待できるので仕事のパフォーマンスをあげたいという方にもピッタリですね!

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